仮縫合わせ

仮縫い合わせ

仮縫い合わせ


オーダー仕立ての服はとても着やすいのです。身体の各部分を細かく寸法を測って製図を起こしたお客様専用の型紙で裁断し、縫製しますから当然といえるのですが、スラックスを例にご説明いたします。
 既製品売り場でスラックスを買う時には、表示されているウエスト寸法を目安にさがします。もう少し熱心な方はポケット内のタグを引き出してヒップ寸法を確かめるでしょう。
 しかし、スラックスで一番大切な寸法はウエストとヒップの寸法差なのです。正確にいいますと。人体を MRI 画像のように上から輪切りして
透視したとして。ウエストとヒップの水平位置にそのスラックスがマッチしているかどうかが問題なのです。人体を横から見て、ヒップの一番高い所とウエストのくびれの位置との差寸がスラックスにマッチしているかがはきごこちを決めるわけです。オーダーでは、はきこみの深さとウエストとヒップの差寸と位置を採寸して仮縫品をつくり、試着していただいて、このポイントを確認します。この工程が仮縫い合わせ(フィッティング)です。既製品にはない、一番の特徴です。イージーオーダーにもない工程です。初めての仮縫いをご自分のスーツの製作過程で体験されるお客様が皆さん,( 仮縫いは楽しい )と。
 フィッティング(仮縫着合わせ)でチェックした仮縫いのスーツを全部ほどいて、前身、背、袖などの部品の状態に戻します。ここで補正のチョークを書き入れていきます。寸法とデザインとのバランスを確認しながらお客様の希望が仕上がり品に反映できるように進めます。服作りでは採寸に並ぶ大事な工程です。