昭和天皇は立ち姿がとてもよかったのです。
これは皇室御用記者のごますり記事ではなく、れっきと
した専門家の一文でした。スーツの着こなしはバック
スタイルでわかる。後姿を見れば仕立ても着こなしも
わかるというものです。卓見です。
天皇という立場からすれば身に着けるものを自分で選ぶ
ことはなかったでしょうから、お世話係と製作者(洋服屋)
の功績だとしても、昭和天皇の着こなしは絵になって
いたと思います。
すこし猫背、背の丸い体型(または胸の厚み)があるの
がスーツは似合うという基本の考えです。
正面(前面)はだれもが気をつけてきれいに見えるように
整えます。製作者も見栄えよくなるように前面に集中して
つくります。
バック(背)は着やすい服の大事な部分です
腕を前に出したり常に動作とともに袖につれて動きます
腕を動かさないときには、頼もしい背中として静かに
立っていなければならない。
オーダースーツは採寸時に体型を仔細に観察して型紙を
起こし裁断、仮縫いで補正を加えてフィットさせます。
この工程のなかでお客様の寸法と体型のなかでより美しい
そして、着やすい服をつくるラインをみつけていきます
仮縫い着合わせ(フィッティング)は、お客様主体の
楽しい共同作業です。