オーダースーツの仮縫製作を支えるスーパーミシン

stitchmarker0825

オーダースーツの仮縫製作に使っている
ミシンのお話をさせていただきます
ステッチマーカー(Stitch Marker -JUKI) といいます
型紙の製図を2枚の布地に転写するときにつかいます
洋服を製作するときは、まず一枚の布地を中表に折ります
人体は左右対称ですから、重ねた上から型紙を写して
同じもの2枚作ってつかうわけです。

このステッチマーカーは型紙と重ねた2枚の布地に
同時にしつけ糸を縫いつけた後に
マークとなる短い糸印を上下2枚の生地に残して2枚のカッターが
糸を上中下の3ヵ所切り分けます。これで同じものが2枚できて
左右の人体をカバーする部分になります。

この仕事をハサミを使って手作業でもやることがあります。
布地を切らないように糸をしっかりと残して、きれいに
切りそろえます。神経と時間をつかう大変な作業です。

現代の名工に列せられているH先生も、「ミシンのなかでは
ステッチマーカーが一番役に立つ・・」 と評されたとか。
とてもよくわかる名匠の言葉です

このスーパーミシンのくせをのみこんで使いこなすまでには
時間がかかりました。日本の生んだ精密機械のひとつに
間違いありません。
ちなみに、この機種は現在製造されていません。